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金曜の夜に上海を出て、日曜に戻ってくる。上海に住んでいると、こういう距離感で国をまたげてしまいます。
それ自体はありがたいのですが、毎回ひとつだけ引っかかるものがあります。通信です。
行き先が変わるたびに、空港でSIMを探すのか、ローミングをそのまま使うのか、それとも何か買っておくのか——同じことを毎回考え直している気がしませんか。上海歴20年ですが、正直に言うとここだけはずっと行き当たりばったりでした。
いまはeSIM(イーシム)に落ち着いています。この記事では、上海から外に出るときの通信を、出発前に終わらせてしまう方法を書きます。あわせて、eSIMで見落としやすいところも3つ挙げておきます🐼

ローミングをやめたのは、つながらなくて困ったからではありません。つながったけれど、費用が見合わなかったんですよね。
① 結論|上海から出るなら、eSIMを出発前に入れておくのがいちばん楽
①-1 やることは「出る前に買って、入れておく」だけ
先に結論です。上海から短い旅行や出張で外に出るなら、行き先のeSIMを上海にいるうちに買って、端末に入れておく。これがいちばん手間が少ない方法です。
現地に着いてから探す必要がなくなりますし、着いた瞬間から使えます。空港で並ぶことも、見知らぬ窓口でSIMを買うこともありません。
①-2 私がローミングをやめた理由は、ひとつだけです
かっこいい理由はありません。費用が見合わなかった、それだけです。
ローミングはつながります。設定もいりません。そこは本当に楽です。ただ、数日出ただけで請求がふくらむので、年に何度も国をまたぐ生活だと、さすがに続けられませんでした。
いまは行き先ごとにeSIMを用意しています。手間が増えたかというと、慣れてしまえば5分程度です。
①-3 この記事で扱わないこと
ひとつだけ先にお断りしておきます。この記事は「上海から外に出るとき」の話だけです。中国国内でLINEやGoogleを使う話は、まったくの別問題なので扱いません。
中国に入る側の通信、つまり中国国内でどうつなぐかは、下の記事にまとめてあります。

この章のまとめ
・上海から出るなら、行き先のeSIMを出発前に買って入れておく
・ローミングをやめた理由は「つながらない」ではなく「費用が見合わない」
・中国国内でつなぐ話は別の記事に分けています
② 上海から出るときの通信は、実は選択肢が少ない
②-1 ローミングは、つながるけれど費用が見合わない
手軽さでいえばローミングが一番です。何もしなくてもつながります。
ただ、短い旅行でも日数分そのまま積み上がるので、年に何度も出る人にとっては金額が大きくなりがちです。私がeSIMに切り替えたのは、まさにここでした。
年に1回の旅行ならローミングでも十分だと思います。判断の分かれ目は「年に何回出るか」です。
②-2 現地で買う・借りるは、行き先ごとにやり方が変わる
到着してから現地のSIMを買う方法も、日本や上海でWi-Fiルーターを借りていく方法もあります。
ただ、現地SIMは国ごとに買う場所も必要書類も違います。ルーターは受け取りと返却の予定が旅程に入り込んできます。どちらも「毎回同じ手順」にはならないのが、地味に面倒なところです。
②-3 eSIMなら、出発前に済ませて持って出られる
eSIMは、端末の中に通信プランを直接入れる仕組みです。カードの抜き差しがないので、上海にいるうちに買って入れておけるのが最大の利点になります。
手順も毎回同じです。行き先が韓国でもタイでも、やることは変わりません。ここが「毎回考え直さなくてよくなった」理由でした。
なお、eSIMそのものの仕組みをもう少し詳しく知りたい方は、中国・上海旅行おすすめeSIM・SIM比較3選【2026年版】に基本から書いてあります(こちらは中国で使う前提の記事です)。
この章のまとめ
・ローミングは楽だが、回数が増えると費用が見合わなくなる
・現地SIM・ルーターは行き先ごとに手順が変わる
・eSIMは行き先が変わっても手順が同じで、出発前に終わらせられる
③ eSIMを使う前に知っておく落とし穴3つ
いいことばかり書きましたが、つまずきやすいところもあります。3つだけ押さえておけば大丈夫です。
③-1 SIMロックが解除された端末でないと使えません
これが最初の関門です。eSIM対応をうたっている端末でも、キャリアのロックがかかったままだと使えません。
Saily公式の対応端末ページにも、はっきりこう書かれています。
Sailyを利用できるのは、キャリアロックが解除され、eSIMテクノロジーに対応した端末のみです。
出典:Saily公式「eSIM対応機種」(https://saily.com/ja/esim-supported-devices/)2026年9月時点
同じページには「一部モデルは、特定の地域においてeSIMに対応していない場合があります」という注意もあります。買う前に自分の端末を確認する、ここだけは飛ばさないでください。
③-2 端末の「データローミング」はONにします
ここがいちばん誤解されるところだと思います。
ローミング料金を避けるためにeSIMを使うのに、端末の設定では「データローミング」をONにする必要があります。直感に反しますよね。
理由は、eSIMの通信が現地の回線を借りる形になっているからです。Saily公式の手順にも、設定のステップとして「Sailyのプランのデータローミングを有効にします」と書かれています。
③-3 買い置きできるのは180日までです
「安いうちに買っておこう」と考える方もいると思いますが、上限があります。
すべてのプランには、180日の有効化期間があります。プランを本日購入し、(購入日から180日後)までに有効化しなかった場合は、自動的に有効になります。
出典:Saily公式 各国のプランページ(https://saily.com/ja/esim-japan/)2026年9月時点
つまり、使わないまま半年たつと勝手に始まります。出発の直前に買うぶんには関係のない話ですが、「いつか行くから」で先に買うのは向きません。
この章のまとめ
・SIMロック解除済み+eSIM対応の端末が前提(公式に明記あり)
・端末の設定ではeSIM側のデータローミングをONにする
・買い置きは180日まで。過ぎると使わなくても有効化される
④ Sailyはどういうときに向くか
ここからは、私が調べたなかで上海発の使い方に合いそうだったサービスを1つ挙げます。Saily(セイリー)です。
④-1 どんなサービスか
Sailyは旅行者向けのeSIMサービスです。運営はNord Securityで、公式のよくある質問にこう書かれています。
デジタル・セキュリティとプライバシーの世界的ブランドであるNord Securityが、Saily eSIMサービスを所有しています。また、NordVPNやNordPassのようなツールの背後にある会社でもあり、世界中で数百万人に信頼されています。
出典:Saily公式サイト よくある質問(https://saily.com/ja/)2026年9月時点
公式サイトによると、対応しているのは200以上の目的地です。
④-2 向く場面その1:行き先が毎回変わる人
上海にいると、今回は韓国、次はタイ、その次は一時帰国——というふうに行き先が毎回変わります。
Sailyは1つのeSIMに行き先を足していける形になっていて、公式サイトにも「既存のSailyのeSIMに新しい目的地を追加するだけ。毎回新しいeSIMをインストールする必要はありません」と書かれています(2026年9月時点)。
端末のeSIMの枠は無限ではないので、行き先ごとに新しいeSIMが増えていかないのは実務的にありがたいところです。
④-3 向く場面その2:数日だけの短い出張
金曜に出て日曜に戻るような旅程だと、大きなデータ量は要りません。
公式サイトの表示価格では、タイが US$2.99 から、韓国・台湾・ベトナムが US$3.99 からとなっています(2026年9月時点)。一時帰国で使う日本向けプランは、1GB・7日間で US$3.99、5GB・30日間で US$10.99 でした。
地図とメッセージが動けばいい、という使い方なら小さいプランで足ります。
④-4 向く場面その3:複数の国をまとめて回る
出張で2か国、3か国と回るときは、地域をまとめたプランなら1つで済みます。
公式サイトには、アジア・オセアニア向けのプランが 22か国対象・US$4.99 から、全世界向けが 121か国対象・US$8.99 から と表示されています(2026年9月時点)。
④-5 中国国内で使えるとは考えないでください
ここは正直に書きます。Sailyは中国国内での利用を保証していません。
中国向けのページの最上部に、公式自身がこう書いています。
eSIMデータが確実に動作するよう、ご旅行前にeSIMを設定してください。現地の規制により、中国ではSailyアプリへのアクセスが制限される場合があります。
出典:Saily公式「中国向けeSIM」(https://saily.com/ja/esim-china/)2026年9月時点
つまり、上海に住んでいる私たちが中国国内の通信の代わりに使うものではありません。この記事が「上海から外に出るとき」に限定しているのは、これが理由です。
そして同時に、この一文は出発前に設定しておくべき理由そのものでもあります。公式が「ご旅行前に設定してください」と書いているとおり、上海を出る前に済ませておくのが確実です。
サポートについても触れておくと、公式には「24時間年中無休のチャットサポート」と記載があります(2026年9月時点)。ただしチャットが日本語に対応するかは公式に明記がありません。ヘルプセンターには日本語のページが用意されています。
行き先が毎回変わる上海発の旅なら、1つのeSIMに足していける形が第一候補です。
※価格は2026年9月時点で公式サイトに表示されていた米ドル建ての金額です。プラン内容・価格は変わることがあるため、申し込み前に公式サイトでご確認ください。
この章のまとめ
・運営はNord Security(NordVPNと同じ会社)と公式に記載
・1つのeSIMに行き先を足せるので、行き先が変わる人に向く
・短い旅なら小さいプラン、複数国なら地域プランで足りる
・中国国内での利用は公式が制限の可能性を明記。だから出発前に設定する
⑤ 出発前にやること4ステップ
実際の流れです。すべて上海にいるうちに終わります。
⑤-1 行き先のプランを買う
公式サイトかアプリで、行き先と容量・日数を選んで購入します。ここで人数分の枚数を選べるので、家族で行くなら先に人数を決めておくとスムーズです。
⑤-2 アプリを入れる
App Store か Google Play からアプリを入れます。上海にいるうちに入れておいてください。公式が中国国内でのアプリへのアクセス制限に触れているので、現地でダウンロードしようとするのは避けたほうが無難です。
⑤-3 eSIMを端末にインストールする
アプリの案内に沿って、端末にeSIMを入れます。ここまでで端末側の準備は完了です。ふだんの回線はそのまま残るので、上海での生活に影響はありません。
⑤-4 データローミングをONにしておく
先ほど触れたところです。eSIM側の回線だけデータローミングを有効にしておきます。
ここまで終えておけば、現地に着いたときに自動で有効になります。公式の説明では「目的地に到着した時点または購入から180日後に、自動的に有効化されます」となっています(2026年9月時点)。
到着後にやることは、端末の設定でモバイルデータの回線をeSIM側に切り替えるだけです。
この章のまとめ
・買う→アプリ→インストール→データローミングON、の4つだけ
・4つとも上海にいるうちに終わる
・現地では回線を切り替えるだけ。有効化は到着時に自動
⑥ 家族で行くとき|テザリングでしのぐか、全員分を買うか
⑥-1 私はテザリングで分けています
正直に書くと、家族で出るときの私のやり方はこれです。自分のeSIMでつないで、家族にはテザリングで分ける。
これで足りてしまう場面も多いので、ずっとこのままきました。
⑥-2 ただ、これは理想の形ではありません
テザリングには弱いところがあります。
親機のバッテリーが減るのが早いこと。そして何より、はぐれたら全員つながらなくなることです。空港や駅で別行動になった瞬間に、連絡手段が止まります。家族旅行でいちばん困るのは、たぶんここです。
理想を言えば、全員がそれぞれ自分の回線を持っているほうが安心です。
⑥-3 買うときに枚数を選べます
Sailyの購入画面には「何人で旅行しますか?」という枚数の選択があり、1回の購入で複数枚をまとめて用意できます(2026年9月時点)。
家族それぞれの端末に入れておけば、はぐれても各自でつながります。人数が多いほど金額は増えますが、小さいプランなら一人あたりの負担はそれほど大きくありません。

テザリングで足りているなら、それでいいと思います。ぼくもそうしています。ただ「はぐれたら終わり」だけは、出る前に頭に入れておいてください🐼
家族それぞれに回線を持たせたいなら、購入時にまとめて枚数を選んでおくのがいちばん確実です。
※プランの枚数・価格は2026年9月時点の公式サイトの表示です。申し込み前に公式サイトで最新の内容をご確認ください。
この記事のまとめ
・上海から外に出るなら、行き先のeSIMを出発前に買って入れておく
・ローミングは楽だが、回数が増えると費用が見合わなくなる
・落とし穴は3つ。SIMロック解除/eSIM側のデータローミングON/買い置きは180日まで
・Sailyは行き先を足していける形なので、行き先が毎回変わる人に向く
・ただし中国国内での利用は公式が制限の可能性を明記。上海を出る前に設定を終える
・家族で行くならテザリングでもしのげるが、はぐれたときのことは考えておく
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⑦ よくある質問(FAQ)
- Q上海にいるうちに買っても大丈夫ですか?
- A
購入と設定は上海で終えるのがおすすめです。公式も中国向けページで「ご旅行前にeSIMを設定してください」と案内しています(2026年9月時点)。ただしアプリの入手など一部の操作は、中国国内だと制限を受ける場合があると公式が明記しているので、早めに済ませてください。
- Q中国国内でも使えますか?
- A
使える前提で考えないでください。公式サイトに「現地の規制により、中国ではSailyアプリへのアクセスが制限される場合があります」と記載があります(2026年9月時点)。中国国内の通信は別の手段で用意するものと考えてください。
- QいまのSIMは抜かなくていいですか?
- A
抜く必要はありません。eSIMは端末の中に追加される形なので、ふだんの回線はそのまま残ります。現地では、モバイルデータに使う回線をeSIM側へ切り替えます。
- Q料金はいつから発生しますか?
- A
購入した時点で支払いは発生します。プランが動き出すのは目的地に到着したときで、使わないままでも購入から180日で自動的に有効になると公式に記載があります(2026年9月時点)。
- Q現地でつながらないときは?
- A
まず、eSIM側のデータローミングがONになっているか、モバイルデータの回線がeSIM側に切り替わっているかを確認してください。それでも解決しない場合は、公式のヘルプセンター(日本語ページあり)とチャットサポートが用意されています。

