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上海への赴任が決まって、いま準備リストを作っているところでしょうか。
ビザ、住まい、引っ越し、子どもの学校。やることが多すぎて、「日本の動画が見られるかどうか」は、正直いちばん後回しになりますよね。それでも、ここだけは先に手を付けておいてほしいんです。
理由はひとつです。中国に着いてからだと、準備そのものができなくなることがあるから。申し込みページが開かない。アプリを入れる場所が使えない。認証のショートメッセージが届かない。上海歴20年、こういう「現地で詰まった」話は何度も聞いてきました。
この記事では、日本にいるうちに終わることと、現地に着かないと終わらないことをはっきり分けて書きます。読み終えたときに、出発までの予定表に書き込める状態になっているはずです🐼

ぼく自身、準備を忘れた一時帰国明けに、空港でLINEが送れなくて焦ったことがあります。「無事に着いたことだけでも伝えたいのに…」って。慣れている人間でもこれなんですよね。
① 結論|上海赴任の出発前にやる動画の準備は3つ
先に結論だけ言います。出発前にやっておくことは、次の3つです。
①-1 VPNを契約して、アプリまで入れておく
中国では、日本で普段使っているサービスの多くに、そのままではつながりません。動画配信も例外ではなく、日本国内向けの配信は、海外からだと権利の都合で見られないのが基本です。
そこで必要になるのがVPN(ブイピーエヌ)です。通信をいったん別の国のサーバー経由にして、日本にいるときに近い状態をつくる仕組みだと思ってください。
大事なのは、契約だけでなくアプリを入れて、ログインまで済ませておくことです。ここを「現地でやればいい」にすると、あとで説明するとおり、まず詰まります。
①-2 動画サービスの支払いとアカウントを整える
VPNの準備ができても、動画サービス側が止まっていたら意味がありません。
支払いに使っているカードの有効期限は切れていないか。パスワードを思い出せるか。ログインのときに確認コードが届く電話番号は、日本の番号のままでいいか。この3つを、出発前に一度通しで確認しておきます。
①-3 スマホ・パソコン・家族の端末、全部に入れておく
意外に抜けるのがこれです。自分のスマホには入れたけれど、パソコンには入れていない。ご家族で赴任されるなら、その人数分の端末もあります。
入れるのは全部、日本を出る前です。台数を数えるところから始めてください。
この章のまとめ
・出発前にやることは「VPN」「動画サービス側」「端末ぜんぶ」の3つ
・VPNは契約だけで終わらせず、アプリとログインまで
・家族の分と、パソコンの分を数え忘れない
② 「着いてからやればいい」が通用しない理由
なぜそこまで「出発前に」と言うのか。理由は3つあります。
②-1 申し込みページ自体が開かないことがある
いちばん大きいのがこれです。中国からだと、VPNの申し込みページそのものにたどり着けないことがあります。「必要になってから申し込もう」と思っていると、その申し込み画面が開かない、という順番の問題が起きるわけです。
実際にあった話をひとつ。私の先輩は「現地で契約すればいい」と言って、何も準備せずに渡航しました。結果、着いてから手続きができず、最初の1週間は日本と連絡が取れないまま。ご家族から会社に心配の電話が入って、それをVPN経由でようやく受け取る、という状態でした。
②-2 アプリを入れる場所そのものが使えない
「ブラウザがだめでも、アプリを入れればいいのでは」と思いますよね。ところが、アプリを入れる場所(アプリストア)側で止まることもあります。
つまり、手段を1つずつ試すという発想自体が、現地では通用しないことがあるんです。だから渡航前に、インストールまで終わらせておきます。
②-3 認証のショートメッセージと、支払いが止まる
もうひとつが、登録の途中で止まるパターンです。
アカウントを作るとき、確認のショートメッセージが届く仕組みのサービスは多いのですが、そのメッセージを受け取るにも通信が要ります。支払いのほうも、海外発行のカードが弾かれることがあります。
上海の決済アプリの登録でも、同じことが起きています。必要なのは、パスポートと、日本のクレジットカードと、ショートメッセージが受け取れる電話番号の3つ。どれも日本でなら、詰まらないものばかりです。
この章のまとめ
・申し込みページが開かないことがある(=先に申し込むしかない)
・アプリを入れる場所も使えないことがある
・確認コードと支払いは、通信がないと進まない
③ 出発前チェックリスト|1ヶ月前・1週間前・前日
ここからは時系列です。1週間の出張ではなく、赴任や長期の滞在で、動画まわりに絞った話をします。
③-1 1ヶ月前:やることを決める
この時期にやるのは、契約ではなく棚卸しです。数えるだけの、地味な作業ですね。
ポイントは、ここを飛ばすと、あとの手続きが全部二度手間になることです。台数がわからないまま契約すると、あとから「パソコンの分が足りない」と気づいて、プランを変えることになります。動画サービスのほうも、赴任を機に解約するもの・続けるものを決めておくと、渡航後にアカウントを触らずに済みます。
③-2 1週間前:VPNを契約する
契約はこのタイミングです。1ヶ月前ではありません。
理由は次の章で詳しく書きますが、多くのVPNには返金できる期間が決まっていて、早く契約しすぎると、現地で試す前にその期間が終わってしまうからです。早ければ早いほど安心、とはならないんですね。
この週は、申し込みから接続テストまでを一気に通します。1日で終わる作業です。
③-3 前日:そのまま持っていける状態にする
ひとつだけ補足すると、アプリはログインしたままにしておいてください。現地で入れ直す手間が省けますし、パスワードを思い出せずに固まる、という一番もったいない詰まり方を避けられます。
あわせて、うまくいかないときのために連絡手段をもう1つ用意しておくと安心です。
この章のまとめ
・1ヶ月前は「数える」、1週間前に「契約する」、前日は「そのまま持っていける状態に」
・契約を早めすぎると、返金できる期間を現地で使えない
・ダウンロードは前日のうちに
④ VPNは日本にいるうちに契約する|出発前に終わる4つと、現地に残る1つ
ここがこの記事のいちばん大事なところです。
④-1 日本で終わるのは「申し込み・インストール・ログイン・接続テスト」の4つ
上の図の左側、4つが日本で終わる範囲です。
見落とされやすいのが4つ目の「接続を試す」。申し込んでアプリを入れた時点で満足しがちですが、日本のWi-Fiで一度つないでおくと、「操作を知らないまま現地に着く」状態を避けられます。設定でつまずいたときに、日本ならサポートへ聞けるのも大きいです。
VPNの仕組みそのものは、通信をいったん別の国のサーバー経由にする、というものです。公式サイトの図がわかりやすいので引用します。

④-2 「本当に映るか」は、現地に着かないと確かめられない
ここが正直なところです。日本でできるのは「つながること」の確認までで、中国から日本の動画が実際に映るかどうかは、着いてみないとわかりません。
スイカVPNの公式サイトには、海外から日本の動画サービスを見る使い方が紹介されています。

この「やってみないとわからない」部分があるからこそ、次の考え方が効いてきます。
④-3 返金できる期間を残して渡航する
スイカVPNには、どのプランで申し込んでも30日間の無料キャンセル期間(返金期間)があります(2026年9月時点・公式料金ページ)。
ここからは私の考え方です。この30日を、現地で使える状態にして渡航する。そう決めると、契約のタイミングが決まります。
出発の1ヶ月前に申し込むと、着く頃には期間が終わりかけています。逆に前日だと、アプリを入れてログインして接続を試す時間がありません。出発の1〜2週間前なら、日本で準備する時間も、現地で試す期間も両方残ります。
実際、スイカVPNの公式サイト自身も、動画の視聴について「30日間の返金保証期間にて事前に視聴確認下さい」と案内しています。試してから決めてほしい、という前提のサービスなんですね。
※返金の細かい条件(起算日、更新時は対象外、App Store決済分の扱いなど)は変わることがあります。申し込みの前に必ず公式でご確認ください。
④-4 スイカVPNはどんなサービスか(2026年9月時点)
数字はすべて、公式サイトで確認したものです。
・料金:1ヶ月プラン1,097円/3ヶ月1,048円/6ヶ月988円/1年938円/2年878円
(いずれも1ヶ月あたり・消費税は頂いておりませんと明記)
・接続先:世界45都市50箇所
・接続方式:IKEv2/OpenConnect/L2TP/PPTPの4つ
・対応:Windows・Mac・iPhone・Android(iPhoneとAndroidは公式アプリあり)
・通信量:制限なし
・返金:30日間の無料キャンセル期間
・運営:総務省関東総合通信局 電気通信事業番号 A-01-17757

長期プランほど1ヶ月あたりは下がりますが、駐在の期間が読めないうちは、短いプランで試してから伸ばすほうが安全です。プランの変更は、マイページからできるようになっています。
ひとつ正直に書いておくと、同時に何台までつなげるかは、公式サイトに書かれていませんでした(2026年9月時点で料金表・よくある質問・利用規約を確認)。ご家族の分もまとめて、と考えている方は、申し込む前に問い合わせておくと確実です。
▼ 30日間の無料キャンセル期間つき。まずは日本で試せます
この章のまとめ
・日本で終わるのは「申し込み・インストール・ログイン・接続テスト」の4つ
・本当に映るかは現地で確かめることになる
・だから返金できる期間を残して、出発の1〜2週間前に契約する
⑤ 動画サービス側の準備|契約・支払い・家族の分
VPNの準備ができても、動画サービス側が止まっていたら意味がありません。こちらは見落とされがちなので、3つだけ確認しておきます。
⑤-1 支払い方法を、日本にいるうちに整える
確認するのは2つです。カードの有効期限と、確認のメッセージが届く電話番号。
赴任中にカードの期限が切れると、日本のカード会社から届く新しいカードを、どう受け取るかという問題になります。更新の時期が赴任期間にかかる方は、出発前に手を打っておくとラクです。
電話番号も同じで、日本の番号を解約すると、ログインのときの確認が受け取れなくなります。番号の扱いは、動画サービスだけでなく銀行やクレジットカードにも効いてくるので、赴任準備の早い段階で決めておいてください。
⑤-2 同時に見られる数と、端末の数を数える
動画サービスには「同時に何台まで見られるか」の上限があります。日本にいるときは家族がバラバラの時間に見るので気になりませんが、海外に出ると、同じ時間に集中しがちなんですね。
ご家族で赴任される場合は、人数分の端末を先に数えておくと、プラン選びで迷いません。
⑤-3 機内と到着日のぶんを、先にダウンロードしておく
意外と効くのがこれです。
日本から上海までは、着いてから部屋が落ち着くまでを含めると、半日以上かかります。その間に見るものを日本のWi-Fiでダウンロードしておくと、到着日に通信がどうなっても困りません。お子さん連れなら、なおさらです。
なお、中国に着いてからの「見る手順」そのもの(日本のサーバーの選び方、見られないときの切り替え方)は、別の記事に詳しくまとめています。この記事は出発前の段取りに絞りました。

この章のまとめ
・カードの期限と、確認コードが届く番号を先に確認する
・同時に見られる台数を、家族の人数で数えておく
・機内と到着日のぶんは、日本にいるうちにダウンロード
⑥ 到着した日にやること|つながらないときの順番
準備が終わっていれば、到着日にやることはほとんどありません。それでも順番だけは決めておきましょう。
⑥-1 空港に着いたら、まずVPNをつなぐ
飛行機を降りて機内モードを解除したら、最初にやるのがこれです。
ここで日本への連絡手段が戻ります。逆に、準備していないとここで止まります。慣れている人間でも、準備を忘れた一時帰国明けには同じことが起きます。

空港で「送信できませんでした」の表示を見たときの、あの焦りだけは何年たっても慣れません。先に準備してあるかどうかだけの差なんですけどね。
⑥-2 つながらないときは、順番に試す
一発でつながらなくても、慌てなくて大丈夫です。順番があります。
まず接続方式を変えてみること。スイカVPNの場合、IKEv2・OpenConnect・L2TP・PPTPの4つがあるので、片方がだめでも別の方式で通ることがあります。次に接続先の都市を変える。それでもだめなら、予備の手段の出番です。
上海歴20年で身についたのは、1つの手段に全部を賭けないという考え方です。私自身、VPNは2つ契約しています。片方が不安定になることがあるからです。
⑥-3 落ち着いてから、動画を試す
動画は最後で構いません。まず連絡手段、次に地図と決済、最後に娯楽。この順番です。
ここで実際に映るかどうかを確かめて、もし合わなければ、返金の期間が残っているうちに判断できます。出発の1〜2週間前に契約しておく意味は、ここにあります。
なお、到着後の手続き全体(住居登録や初日の段取り)は別の記事にまとめてあります。

この章のまとめ
・着いたらまずVPN。動画はいちばん最後でいい
・つながらないときは、接続方式→接続先の都市→予備の順で試す
・映らなかったときのために、返金の期間を残しておく
⑦ 気をつけること|規約・料金は自分で確認する
最後に2つだけ。
見られるかどうかは、誰も保証してくれません。各サービスの規約、通信環境、仕様変更。どれも自分では動かせない部分です。「VPNを入れれば必ず見られる」と書いてある記事は、そこを省略しています。
料金と条件も変わります。この記事の数字は2026年9月時点に公式サイトで確認したものですが、プランは動きます。申し込みの前に公式で最新の条件を見てください。
赴任準備の全体像は、時系列でまとめた上海駐在 完全ガイド|赴任準備〜生活立ち上げの6ステップがあります。動画の準備は、その中の小さな一項目です。
この記事のまとめ
・出発前にやるのは「VPN」「動画サービス側」「端末ぜんぶ」の3つ
・1ヶ月前に数えて、1週間前に契約して、前日にダウンロード
・日本で終わるのは申し込み・インストール・ログイン・接続テストの4つ
・本当に映るかは現地で確かめる。だから返金できる期間を残して渡航する
▼ 出発前の10分〜15分で、着いた日の安心が変わります
⑧ よくある質問(FAQ)
- Q出発の何日前に契約すればいいですか?
- A
出発の1〜2週間前がおすすめです。早すぎると返金の期間が現地に着く前に終わり、前日だとアプリを入れて試す時間が取れません。なお「端末の数を数える」作業だけは、1ヶ月前に済ませておくとラクです。
- Q無料のVPNではだめですか?
- A
おすすめしません。私も上海に来たばかりの頃に無料のものを試しましたが、ほぼ全滅でした。中国では通信が制限されやすく、無料のサービスは起動すらしないことがあります。赴任中ずっと使うものなので、月千円前後の有料を選んだほうが結果的に安く済みます。
- Q家族の分も契約が必要ですか?
- A
端末の数だけ必要になります。VPNのアカウントを家族で共有できるかは、サービスによって上限が違います。スイカVPNの場合、同時に何台までつなげるかは公式サイトに記載が見つからなかったので(2026年9月時点)、家族分をまとめたい方は申し込む前に問い合わせてください。
- Q現地で契約するのは、本当にできないのですか?
- A
「できなかった」という話をよく聞きます。私の先輩も、現地で契約しようとして1週間連絡が取れない状態になりました。できる場合もあるのかもしれませんが、赴任初日に賭けることではないはずです。日本にいるうちなら10分〜15分で終わります。
- Q契約した動画サービスは、中国でも必ず見られますか?
- A
必ず、とは言えません。各サービスとの視聴契約が必要ですし、スイカVPNの公式サイトも「特定サイトや特定サービスの利用可否は保証しておりません」と明記しています。だからこそ、返金の期間を残して渡航し、現地で試してから判断する形をおすすめしています。
✈️ 関連:中国到着後のスマホ設定(VPN接続・LINE確認・Wi-Fi確認)は、こちらの手順記事で詳しく解説しています。


