上海で日本語が通じる病院|3つの選択肢とかかり方【2026】

暮らしの実務

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上海で熱が出た、子どもが咳をしている、歯が痛い——そんなとき「日本語が通じる病院ってどこだろう」と検索したことはありませんか。私も最初はそうでした。

住んでみて分かったのは、大事なのは病院の名前を覚えることではなく、上海には日本語が使える医療の選択肢が3つあって、それぞれ役割が違うと知っておくことでした。日系クリニック、大きな病院の国際医療部、そして医療アシスタンス。この3つです。

この記事では、上海歴20年の私と家族が実際にかかってきた経験をもとに、3つの選択肢の違いと、予約から会計までのかかり方、そして保険がどこまで効いてどこから自腹になるかをまとめました。夜間・救急のときにどうするかも、公的な情報にあたって整理しています。

順位はつけません。病院の優劣を素人が格付けする話ではないからです。お伝えするのは、元気なうちに15分だけ使っておくと、いざというときに迷わなくなる段取りです。

⚠️ この記事は、症状の対処法や治療についてお伝えするものではありません。具体的な症状や薬については、必ず医療機関・医師にご相談ください。施設の情報は2026年5月29日時点の在上海日本国総領事館の公開情報と私自身の経験にもとづくもので、診療体制・費用・連絡先は変わることがあります。受診の前に、必ず各院の公式で最新をご確認ください。

  1. ① 結論|上海で日本語が通じる医療には、3つの選択肢がある
    1. ①-1 日系クリニック|受付から会計まで日本語で完結する
    2. ①-2 大きな病院の国際医療部|設備と救急が必要なとき
    3. ①-3 医療アシスタンス|病院ではなく「たどり着くための手段」
  2. ② 3つは何が違うのか|順位ではなく「判断軸」で並べる
    1. ②-1 日本語の通じ方が違う
    2. ②-2 設備と救急の対応が違う
    3. ②-3 お金の流れが違う
    4. ②-4 実例|わが家は、症状で行き先を変えています
  3. ③ 受診の段取り|予約から会計まで、実際はこう進みます
    1. ③-1 予約|事前がおすすめ。ただし当日でも空いていれば診てもらえます
    2. ③-2 日本語スタッフとWeChatを交換しておくと、ぐっと早くなります
    3. ③-3 受付から診察まで|健康診断は1〜2時間で終わりました
    4. ③-4 薬の受け取り|日本の感覚だと「こんなに?」となることも
  4. ④ お金の話|どこまで保険が効いて、どこから自腹か
    1. ④-1 一般の診療では、窓口でお金を払っていません
    2. ④-2 ただし、慢性的な症状は対象外になることがあります
    3. ④-3 歯だけは、話がまったく別です
    4. ④-4 諦める前に、会社の総務に相談してみてください
    5. ④-5 それでも残るので、一時帰国のタイミングで受診しています
  5. ⑤ 緊急のとき|かかりつけを決めるだけでは足りません
    1. ⑤-1 まず番号を控えておく|救急車は120
    2. ⑤-2 かかりつけのクリニックに、救急外来があるとは限りません
    3. ⑤-3 24時間の救急がある施設は「別に」あります
    4. ⑤-4 そしてもうひとつ、総領事館という窓口があります
  6. ⑥ 3つ目の選択肢|言葉が不安なら、医療アシスタンスが最短です
    1. ⑥-1 何をしてくれるのか
    2. ⑥-2 ただし、キャッシュレスは無条件ではありません
    3. ⑥-3 まず確認するのは「自分の会社が契約しているか」
  7. ⑦ 元気なうちにやっておく3つのこと
    1. ⑦-1 平日用と救急用を、1つずつ決めておく
    2. ⑦-2 自分の保険で、何がどこまで効くのかを先に確認しておく
    3. ⑦-3 支払いの備え|立て替えが発生する場合にそなえて
  8. ⑧ よくある質問(FAQ)

① 結論|上海で日本語が通じる医療には、3つの選択肢がある

上海で体調を崩したとき、多くの方が「日本語が通じる病院はどこ?」と検索します。でも実際に暮らしてみると、大事なのは「どこにあるか」より「3つある選択肢のどれを使うか」でした。

上海で日本語が使える医療には、大きく分けて次の3つがあります。

① 日系クリニック(診療所)——医師もスタッフも日本語
② 大きな病院の国際医療部——設備と救急が必要なとき
③ 医療アシスタンス——病院ではなく「たどり着くための手段」

なお、この記事では特定の病院に順位をつけません。医療機関の優劣を、医者でもない私が格付けするのは筋が違うと思っているからです。在上海日本国総領事館が公開している医療機関リストにも、こう書かれています。

本情報は当館が特定の医療機関を推薦するものではありません。掲載順は順不同です。

(在上海日本国総領事館「上海市の医療機関」2026年5月29日更新)

この記事も同じ立場です。選択肢と、かかり方の段取りをお伝えします。

①-1 日系クリニック|受付から会計まで日本語で完結する

上海には、医師もスタッフもほぼ全員が日本語という日系のクリニックがあります。総領事館のリストでは「日本語サポートのある私立診療所」として分類されていて、2026年5月29日時点で8か所が掲載されています。

風邪、子どもの発熱、皮膚のトラブルといった「平日の困った」を受け止めてくれるのが、この日系クリニックです。予約から受付、診察、会計まで日本語で進むので、中国語ができなくても最初から最後までひとりで完結できます

私も家族も、ふだんお世話になっているのはここです。

①-2 大きな病院の国際医療部|設備と救急が必要なとき

公立の大きな病院には、外国人向けの窓口として国際医療部が置かれているところがあります。外賓部(ワイビンブー/wàibīn bù)と呼ばれることもあります。

総領事館のリストでは、国際医療部のある公立病院が4か所。公式の説明によると「主に外国人や富裕層を対象とした、予約可能で待ち時間が少なく、英語(一部日本語)が通じる部門」です。

⚠️ ここは正直に書きます。国際医療部=日本語が通じる、ではありません。日本語が通じるかどうかは施設によって違います。日本語で診察できる医師が在籍していると明記されている施設もあれば、英語中心の施設もあります。

このほか、日系ではない私立病院にも日本語サポートを備えたところがあり、リストでは10か所が「日本語サポートのある私立病院」として掲載されています。CT・MRI・入院・手術、そして24時間の救急外来を持つのは、こちらのグループです。

①-3 医療アシスタンス|病院ではなく「たどり着くための手段」

3つ目は少し性格が違います。医療アシスタンスは病院そのものではなく、「どこへ行けばいいか分からない」「電話が中国語で通じない」というときに、日本語で病院を探して予約まで代行してくれるサービスです。

多くの日系企業が法人として契約しているタイプのもので、個人で好きに入るものではありません。ですので、まず確認するのは「自分の会社が契約しているかどうか」になります。

項目 日系クリニック 大きな病院の国際医療部 医療アシスタンス
日本語 受付から会計まで日本語 施設による(英語中心のことも) 電話・手配が日本語
設備 外来が中心 CT・MRI・入院・手術 (施設ではありません)
救急 ないことが多い 24時間の救急がある施設も 24時間365日の受付
お金 保険が使えれば窓口ゼロも 施設・保険による 条件つきでキャッシュレス
向いている場面 平日の風邪・子どもの発熱 検査や入院が要りそうなとき 言葉が不安・行き先が分からない
上海パンダ
上海パンダ

3つのうちどれが正解、という話ではないんです。うちは平日の風邪なら日系クリニック、検査が要りそうなときは設備のあるところ、と場面で使い分けています🐼

この章のまとめ
・上海で日本語が使える医療は「日系クリニック/国際医療部/医療アシスタンス」の3つ
・この記事では病院に順位をつけない(引用元の総領事館リストも「推薦ではない」と明記)
・国際医療部=日本語が通じる、ではない。日本語対応は施設ごとに違う
・施設の情報は2026年5月29日時点の総領事館リストによるもの。
 受診前に各院の公式で最新をご確認ください


② 3つは何が違うのか|順位ではなく「判断軸」で並べる

3つの選択肢は、優劣ではなく役割が違います。違いは大きく3つの軸に整理できます。

②-1 日本語の通じ方が違う

「日本語対応」とひとことで言っても、実は幅があります。総領事館のリストを読むと、施設ごとの書かれ方がはっきり違うんです。

・受付から終了まで日本語スタッフが付き添う、と明記されている施設
・日本語で診察できる医師が「在籍している」施設(=担当医によります)
・日本語の専用電話番号だけがある施設

この差は、実際にかかるときにけっこう効いてきます。付き添ってもらえるかどうかで、当日の心細さがまったく違うからです。とくに最初の1回は、日本語で最後まで伴走してくれるところを選ぶと安心だと思います。

②-2 設備と救急の対応が違う

もうひとつの軸が設備です。総領事館のリストには、施設ごとに入院・ICU・CT・MRI・内視鏡の有無が書かれていて、さらに24時間の救急外来があるかまで載っています。

ここで知っておいてほしいのは、日本語が通じるクリニック=何でも診てもらえる、ではないということです。日系のクリニックは外来が中心で、救急外来を持っていないところが少なくありません。

この「救急をどうするか」は準備の要になるので、この記事の後半でまとめて扱います。

②-3 お金の流れが違う

3つ目の軸がお金です。同じ「日本語が通じる」でも、窓口でお金を払うのか、払わなくていいのかが変わります。

・保険が使えて、窓口での支払いが発生しない場合
・いったん自分で立て替えて、あとから請求する場合
・医療アシスタンス経由で、条件を満たせばキャッシュレスになる場合

金額そのものより、この「お金の流れ」を先に知っておくほうが慌てません。詳しくは、このあとのお金の章でまとめます。

②-4 実例|わが家は、症状で行き先を変えています

ここまで軸の話をしてきましたが、実際に住んでいると、症状ごとに「ここに行く」が自然と決まってきます。参考までに、私と家族が実際にかかってきた5か所を挙げておきます(すべて長寧区(チャンニンチュー/Chángníng qū)にあり、日本語が通じます)。

クリニック 実際にかかった内容 特徴
上海サンテック病院
(申德医院/シェンダーイーユエン・Shēndé yīyuàn)
風邪/皮膚科/MRI 設備が充実。公式に「日本語を話すスタッフが受付~終了まで付き添う」と明記
上海グリーンクリニック
(上海瑞林診所/ルイリンジェンスオ・Ruìlín zhěnsuǒ)
子どもの風邪・熱/予防接種/歯科 古北の日本人街にあり通いやすい。医科は東塔、歯科は西塔と棟が分かれています
上海平和クリニック、佐井眼科 風邪・熱/突発性難聴/中耳炎/皮膚科 古北路沿い
東和クリニック 天山院
(東羽問診部/ドンユーウェンジェンブー・Dōngyǔ wènzhěn bù)
子どもの受診/理学療法士のマッサージ/毎年の健康診断 3院あり。全院共通の夜間ホットラインがあります
サクラクリニック
(上海桜華門診部/インホアメンジェンブー・Yīnghuá ménzhěn bù)
風邪・熱・点滴/中耳炎/皮膚科 休診は水曜日

MRIが要りそうなら設備のあるところ、子どもの予防接種は通いやすいところ、体の痛みは理学療法士がいるところ——という具合です。私自身は突発性難聴をやりましたし、アトピー持ちなので皮膚科にもよくお世話になっています。

⚠️ 上の情報は2026年5月29日時点の総領事館リストと、私自身がかかった経験にもとづくものです。医療機関は移転や診療体制の変更が起こります。受診の前に、必ず各院の公式サイトや電話で最新をご確認ください。

この章のまとめ
・3つの選択肢は優劣ではなく役割の違い。
 軸は「日本語の通じ方」「設備と救急」「お金の流れ」
・「日本語対応」には幅がある。最後まで付き添ってもらえるかで当日の安心感が変わる
・日本語が通じるクリニックでも、救急外来がないことは珍しくない
・住んでいると症状で行き先が決まってくる。だから元気なうちに候補を持っておくと強い


③ 受診の段取り|予約から会計まで、実際はこう進みます

受診の4ステップ(予約・受付・診察・会計) STEP 1 予約|事前がおすすめ。当日でも空きがあれば STEP 2 受付|日本語で対応。待ち時間は短めでした STEP 3 診察|健康診断でも1〜2時間で終わりました STEP 4 会計と薬|保険が効けば窓口の支払いゼロも

「病院に行く」と決めてから会計を終えるまで、上海ではどう進むのか。ここがいちばん想像しにくいところだと思うので、実際の流れをそのまま書きます。

③-1 予約|事前がおすすめ。ただし当日でも空いていれば診てもらえます

日系のクリニックはおおむね予約制です。日本と同じで、事前に予約を取っておくほうがスムーズです。

とはいえ、体調はこちらの都合を待ってくれません。当日でも、枠が空いていれば診てもらえます。「予約していないから今日は無理だろう」と諦めて我慢してしまうより、まず連絡してみるほうが早いです。

なお、休診日は施設によってばらばらです。日曜・祝日が休みのところもあれば、水曜が休診のところもあります。自分の候補の休診日だけは、元気なうちに控えておくと迷いません。

③-2 日本語スタッフとWeChatを交換しておくと、ぐっと早くなります

これは上海に長くいる人がよくやっている方法です。日系の病院で日本語ができるスタッフとWeChat(ウィーチャット/Wēixìn)を交換して、直接やり取りする——これがとにかく便利でした。

予約はもちろん、「こういう症状なんですが、何科になりますか?」といった相談も、アプリ越しにさっと聞けます。電話をかけて、つながるのを待って、というやり取りが要らないのは、具合が悪いときほどありがたいものです。

裏ワザのように書きましたが、実は病院側もこの導線を用意しています。たとえば総領事館のリストには、サンテック病院の日本部のWeChat IDが公式情報として掲載されています。こっそりやる方法ではなく、用意されている窓口を使うだけです。

WeChatをまだ入れていない方は、先にこちらをどうぞ。上海の生活は、ほぼこのアプリを軸に回っています。
👉 上海生活の必須アプリTop5|上海歴20年が選ぶ”これだけは”

③-3 受付から診察まで|健康診断は1〜2時間で終わりました

当日は受付を済ませて、順番を待って、診察という流れです。日系のクリニックは管理がしっかりしていて、待ち時間は短めでした。

いちばん時間のかかる健康診断でも、1〜2時間あれば終わります。日本で半日つぶれた経験がある方だと、ちょっと拍子抜けするかもしれません。

理由まで断定はできませんが、日本の病院より受診する人が少ないからだろうと思っています。混み具合は時期や施設によって変わるので、あくまで私の受けた印象として読んでください。

上海パンダ
上海パンダ

「海外の病院=待たされそう」というイメージ、ありませんか? 少なくとも私が通っている範囲では逆でした。ここは上海のありがたいところです🐼

③-4 薬の受け取り|日本の感覚だと「こんなに?」となることも

最後に会計と、薬の受け取りです。ここでひとつ、戸惑ったことがあります。

日本の感覚だと「こんなに?」という量の薬が出ることがあります。保険が効くので自己負担が増えるわけではありませんでしたが、飲みきれずに余らせてしまったこともありました。

量や種類が気になるときは、その場で医師や薬剤師に確認するのがいちばん確実です。もらってから家で悩むより、窓口で一言聞くほうが早いですし、日本語が通じるところなら気後れすることもありません。

この章のまとめ
・予約は事前がおすすめ。ただし当日でも空いていれば診てもらえる
・休診日は施設ごとにばらばら。候補の休診日は元気なうちに控えておく
・日本語スタッフとWeChatを交換すると予約も相談も早い。
 病院側も公式に窓口を用意している
・待ち時間は短め。健康診断でも1〜2時間で終わった
・薬の量に驚いたら、その場で医師・薬剤師に確認する


④ お金の話|どこまで保険が効いて、どこから自腹か

ここが、この記事でいちばんお伝えしたい部分かもしれません。上海の医療は「いくらかかるか」より「どこまで保険が効くか」で体感がまったく変わります。

⚠️ この章の金額はすべて私が受けた当時の目安(2026年8月時点)です。診療科・治療内容・加入している保険によって大きく変わります。円換算は1元=約24円で計算しています。実際の費用は、必ず受診先と保険の窓口でご確認ください。

④-1 一般の診療では、窓口でお金を払っていません

風邪、皮膚科、MRI——このあたりは会社の駐在員保険が効くので、窓口での支払いはゼロでした。

これは正直、駐在のかなり大きな利点だと思っています。日本にいるときより気軽に受診できるくらいで、「まあ様子を見るか」と我慢する回数が明らかに減りました。腰の鍼治療やマッサージまで保険が使えたのは、想定外にありがたかったです。

④-2 ただし、慢性的な症状は対象外になることがあります

とはいえ、何でも通るわけではありません。長く続く腰や肩の痛み、体質的な皮膚のトラブルといった慢性的な症状は、契約によって対象外になることがあります。

ここでやるべきことはシンプルで、受診の前に、自分の保険で何がどこまで見てもらえるのかを確認しておく。これだけで、あとから「対象外でした」と言われて驚く事態は防げます。

なお、この記事では保険そのものの比較はしません。どの保険を選ぶかは、専門に扱っている記事のほうが詳しいです。

保険選びで迷っている方はこちらへ。現地でキャッシュレスが使えるかどうかで比較しています。
👉 中国旅行の海外保険おすすめ3選!現地キャッシュレスが使える保険を比較

④-3 歯だけは、話がまったく別です

上海の医療で、唯一お金の話が重くなるのが歯科です。駐在員保険では、歯科は対象外になるのが一般的です。つまり全額自己負担になります。

目安として、虫歯1本の治療で2,000元(約48,000円)になることもあります。ホワイトニングやインプラントのような自由診療は、駐在員保険はもちろん、日本の健康保険の審査でも通りません

そして、これは私の失敗です。保険の対象になると思い込んだまま治療を進めてしまい、3,000元(約72,000円)ほど自己負担したことがあります。

だからこそ、治療に入る前に「これは保険の対象ですか」と、自分の口で確認してください。見積もりの段階で聞いておけば、あとから驚くことはありません。

④-4 諦める前に、会社の総務に相談してみてください

歯科は駐在員保険の対象外ですが、実は続きがあります。会社の総務に相談すると、日本の健康保険から3割ほど戻ってくることがあります。

私もこれを後から知りました。全額あきらめる前に、一度聞いてみる価値は十分にあります。

④-5 それでも残るので、一時帰国のタイミングで受診しています

3割戻ったとしても、日本の健康保険で3割負担にしたときの水準で1,000元(約24,000円)くらいはかかるイメージです。自己負担はやはり残ります。

なので私は、緊急でなければ一時帰国のタイミングで歯医者に行くようにしていました。これは上海の駐在員仲間でもかなり多いパターンです。

一時帰国にまとめてやることを詰め込む段取りは、こちらにまとめています。
👉 中国駐在の一時帰国 買い出しリスト|上海歴20年の定番と段取り術
家計全体でどのくらい会社負担なのかは、こちらで数字を出しています。
👉 上海駐在は貯蓄のチャンス!家族4人でも月50万円貯まる理由

上海パンダ
上海パンダ

医療費より、実は歯のほうが財布に効くんです。逆に言えば、歯以外はかなり守られているということでもあります🐼

この章のまとめ(金額はすべて2026年8月時点の目安・1元=約24円換算)
・風邪・皮膚科・MRIなど一般の診療は、会社の駐在員保険が効いて窓口負担ゼロだった
・慢性的な症状は契約によって対象外のことがある。受診前に適用範囲を確認する
・歯科は対象外=全額自己負担。虫歯1本で2,000元(約48,000円)になることも
・保険の対象だと思い込んで3,000元(約72,000円)を自腹で払った失敗あり
・歯科でも会社の総務経由で日本の健康保険から3割戻ることがある
・それでも残るので、緊急でなければ一時帰国のタイミングで受診する人が多い


⑤ 緊急のとき|かかりつけを決めるだけでは足りません

ここは、私自身が住みはじめてから気づいた盲点です。「日本語が通じるクリニックを決めた=これで安心」と思いがちなのですが、それだけでは足りません

⑤-1 まず番号を控えておく|救急車は120

上海の緊急時の番号は次のとおりです。

救急車:120(搬送費は有料です)
・警察(公安):110
・消防:119

在上海日本国総領事館が「緊急時の連絡先」として案内している番号です。スマホの連絡先に入れておくだけで、いざというときの数十秒が変わります。

⚠️ 番号は総領事館の案内によるものですが、掲載ページ自体はやや古い時点の表記になっています。番号そのものは長く変わっていませんが、渡航前・赴任直後に一度ご自身で最新をご確認ください。

⑤-2 かかりつけのクリニックに、救急外来があるとは限りません

これが盲点でした。日系のクリニックは外来が中心で、救急外来を持っていないところが少なくありません。

たとえば私がかかりつけにしているサンテック病院も、総領事館のリスト上は救急外来なしと記載されています。設備はCT・MRI・入院まで揃っていて、平日の受診にはこれ以上ないくらい心強いのですが、夜中に何かあったときの行き先ではない、ということです。

日系のクリニックの多くは、診療時間も平日の日中が中心です。「日本語が通じる」と「いつでも診てもらえる」は別の話でした。

⑤-3 24時間の救急がある施設は「別に」あります

一方で、24時間の救急外来を持ち、日本語サポートもある施設は実在します。総領事館のリスト(2026年5月29日時点)では、次のような施設が「24時間救急外来あり」として掲載されています。

・嘉会国際病院(Jiahui International Hospital)
・上海ユナイテッドファミリー病院(上海和睦家医療)長寧院
・上海ラッフルズ病院(莱佛士医院)
・上海デルタ病院(上海徳達医院)
・上海東方連合医院(Shanghai East International Medical Center)
・SinoUnited Health(曜影医療)

日本語で24時間つながる番号を公開している施設もあります。たとえば上海ユナイテッドファミリー病院長寧院は24時間の救急日本語ホットライン、SinoUnited Healthは24時間の日本語窓口を、それぞれリスト上に掲載しています。日系のクリニックでも、東和クリニックのように全院共通の夜間ホットラインを持つところがあります。

⚠️ ここで大事なことを2つ。ひとつは、救急外来があっても、対応できる内容は施設ごとに違うということです。総領事館のリストには、施設ごとに脳卒中・心疾患などへの対応可否まで書かれています。もうひとつは、どの症状でどこへ行くべきかは、素人が判断することではないということ。ここでお伝えしたいのは「調べておく段取り」であって、行き先の指示ではありません。連絡先と診療体制は変わりますので、必ず最新をご確認ください。

⑤-4 そしてもうひとつ、総領事館という窓口があります

事件・事故に巻き込まれたときの相談先が、在上海日本国総領事館です。

・代表電話:021-5257-4766
・邦人援護の受付:月〜金 9:00〜12:30/13:30〜17:45(代表電話から邦人援護担当へ)
夜間・休日に事件・事故などの緊急事態が起きた場合は、代表電話にかけて「内線0」
 で緊急連絡事務所につながります
(在上海日本国総領事館「在上海日本国総領事館案内」2026年4月20日更新)

ただし総領事館も明記していますが、緊急連絡事務所の受付は「生命等にかかわる緊急事態」が対象です。ビザの問い合わせなど急ぎでない用件は、緊急対応の妨げになるので控えるようにと案内されています。

平日用と救急用を1つずつ決めておく 平日の日中に行くところ 日系クリニック ・受付から会計まで日本語 ・風邪や子どもの発熱に ・予約制のところが多い ・休診日は施設ごとに違う ・救急外来はないことが多い 夜間・休日に頼るところ 24時間の救急がある施設 ・24時間の救急外来 ・日本語窓口を持つ施設も ・対応できる内容は施設ごと ・救急車を呼ぶなら120 ・元気なうちに調べておく

大げさに構える必要はありません。ただ、平日に行くところと、夜間・救急のときに行くところを1つずつ決めておく。それだけで、慌てる場面はかなり減ります。

この章のまとめ
・救急車は120(搬送費は有料)、警察110、消防119。連絡先に入れておく
・日系クリニックは外来が中心で、救急外来がないことが多い
・24時間の救急外来と日本語サポートを併せ持つ施設は別にある
・在上海日本国総領事館は代表021-5257-4766。夜間・休日の緊急事態は「内線0」
・平日用と救急用を、元気なうちに1つずつ決めておく


⑥ 3つ目の選択肢|言葉が不安なら、医療アシスタンスが最短です

最初に挙げた3つ目の選択肢に戻ります。医療アシスタンス——病院そのものではなく、病院にたどり着くための手段です。

ここは正直に書いておきます。私自身はほとんど使っていません。中国語が話せるので、病院と直接やり取りできてしまうからです。

ただ、それは20年住んで中国語をやってきた結果であって、赴任したばかりの方に「中国語を覚えてから病院に行ってください」とは言えません。むしろ、言葉に不安がある方にとっては、これがいちばん確実で早いルートだと思っています。

⑥-1 何をしてくれるのか

代表的なサービスにWellBe(ウェルビー)があります。公式サイトで案内されている内容を、そのまま挙げます。

・病院の予約・手配(24時間365日・日本語対応)
・サポートスタッフの派遣
 (常駐地区では病院に急行し、医療サポート・通訳・精算をサポート)
・通訳の紹介/診断書の取付けと翻訳
・治療費用の精算のお手伝い(保険会社への請求代行)
・緊急入院・手術時のデポジット保証
・手術時の同意書の取りつけ(ご家族への連絡)/病状の経過報告
・緊急搬送の手配
(WellBe Holdings Limited 公式サイト「緊急対応」より・2026年8月時点)

予防の側にもサービスがあり、健康診断の企画、現地の主治医を紹介する仕組み、予防接種の手配、メールでの健康相談などが挙げられています。

「病院を探す」だけでなく「支払いと書類まで面倒を見てくれる」——ここが、自力でやる場合との一番の差だと感じます。会食の多い駐在員だと、急に具合が悪くなって自力で動けない、という場面もあります。そういうときに日本語でつながる先があるのは、かなり違います。

⑥-2 ただし、キャッシュレスは無条件ではありません

ここは誤解しやすいので、はっきり書いておきます。「アシスタンスがあれば支払いはいつでもゼロ」ではありません。

公式サイトには、キャッシュレスサービスの条件がこう書かれています。

・ウェルビーグループが取扱可能な海外旅行保険や現地医療保険などに加入し、
 かつ保険金支払の対象となる場合
提携病院およびネットワーク病院に限る
・利用には一定の条件がある

さらに、サポートスタッフの派遣についても入院時の「付き添い」はサービス対象外と明記されています。使う前に、どこまでが対象なのかを一度読んでおくのが結局いちばん早いです。

⑥-3 まず確認するのは「自分の会社が契約しているか」

医療アシスタンスは、多くの場合、企業が法人として契約するものです。個人で自由に加入するタイプのサービスではありません。

なので、やることはシンプルです。自分の会社が契約しているか、契約しているなら何が使えるのかを、赴任前か赴任直後に総務へ確認しておく。具合が悪くなってから調べ始めると、その確認自体がしんどくなります。

ご家族で赴任される方は、医療以外の段取り(ビザ・学校・生活の立ち上げ)もまとめてこちらで扱っています。
👉 上海駐在に家族帯同|ビザ・学校・医療・生活立ち上げ完全ガイド

この章のまとめ
・医療アシスタンスは病院ではなく「たどり着くための手段」。言葉に不安があるほど効く
・予約・手配だけでなく、通訳・精算・診断書・緊急搬送まで担当する
・キャッシュレスは無条件ではない
 (保険加入と支払対象/提携病院に限る/一定の条件あり)
・入院時の付き添いは対象外など、対象範囲は事前に読んでおく
・多くは会社の法人契約。まず「自分の会社が契約しているか」を総務に確認する


⑦ 元気なうちにやっておく3つのこと

最後に、具合が悪くなる前にやっておくことを3つだけ挙げます。どれも15分もかかりません。

私が赴任したばかりの方にいちばん言いたいのは、これです。具合が悪くなってから探すと、確実に困ります。熱が出ている状態で、初めての病院を検索して、休診日を確認して、電話をかけて……というのは、想像以上にこたえます。

⑦-1 平日用と救急用を、1つずつ決めておく

まずここです。平日の日中に行くところと、夜間・休日に頼るところを、1つずつ決めておきます。

家から通える範囲で2〜3か所あたりをつけておくと、いざというときの不安がまったく違います。チェックするのは3点だけで十分です。

① 日本語がどこまで通じるか(受付から会計まで/医師だけ/電話のみ)
② 休診日はいつか
③ 救急外来があるか、夜間につながる番号があるか

一覧は在上海日本国総領事館のページが最も正確です。受診前には必ず各院の公式でも最新をご確認ください。
👉 上海市の医療機関|在上海日本国総領事館

⑦-2 自分の保険で、何がどこまで効くのかを先に確認しておく

次に保険です。会社の駐在員保険に入っている方は、何が対象で、何が対象外なのかを先に確認しておきます。とくに慢性的な症状と歯科は、あとから「対象外でした」となりやすいところです。

あわせて、会社が医療アシスタンスを契約しているかも同じタイミングで総務に聞いておくと、一度で済みます。

⑦-3 支払いの備え|立て替えが発生する場合にそなえて

3つ目はお金の入口です。会社の駐在員保険があれば、窓口負担なしで受診できる場面は多いです。ただし、対象外の診療や、提携していない施設では立て替えが必要になることもあります

そして、出張や旅行で上海に来る方には、そもそも会社の駐在員保険がありません。この場合の備えは、海外旅行保険か、クレジットカードに付帯する保険が入口になります。

年会費無料で海外旅行保険が付帯するカードを1枚持っておくと、支払い手段としても保険の入口としても使えます。私は赴任前に日本で作っておくことをおすすめしています。

⚠️ カードの付帯保険は、適用条件(利用付帯か自動付帯か・補償の範囲・対象期間)が変わることがあります。申し込む前に必ず公式で最新の条件をご確認ください(2026年8月時点)。カードがあれば医療費がすべてまかなえる、という性質のものではありません。

カードそのものの選び方はこちらで比較しています。
👉 上海旅行クレジットカード3選|上海歴20年が厳選
赴任準備の全体像から確認したい方はこちらへ。
👉 上海駐在 完全ガイド|赴任準備〜生活立ち上げの6ステップ

上海パンダ
上海パンダ

正直に言うと、私もこの3つを最初からやっていたわけではありません。困ってから覚えました。先に15分使っておくと、あとの半日が救われます🐼

この章のまとめ
・平日用と救急用を1つずつ決めておく。
 見るのは「日本語の通じ方・休診日・救急の有無」の3点
・自分の保険の対象範囲を先に確認する。慢性的な症状と歯科は要注意
・会社が医療アシスタンスを契約しているかも、同じタイミングで総務へ
・立て替えや、出張・旅行での受診に備えて支払いの入口を用意しておく


⑧ よくある質問(FAQ)

Q
日本語が通じる病院は、予約なしでも行けますか?
A

日系のクリニックはおおむね予約制ですが、枠が空いていれば当日でも診てもらえます。事前予約のほうがスムーズなのは日本と同じです。ただし休診日は施設ごとに違い、水曜が休診のところもあります。行く前に休診日だけは確認しておくと空振りしません。

Q
費用はどれくらいかかりますか?
A

加入している保険と診療内容で大きく変わるため、一概には言えません。参考までに私の場合は、風邪や皮膚科などの一般的な診療は会社の駐在員保険が効いて窓口負担ゼロでした。一方で歯科は対象外で全額自己負担になり、虫歯1本で2,000元(約48,000円)ほどかかることもあります。予防接種は任意なので自己負担で、記憶では一人300元(約7,200円)くらいでした。いずれも2026年8月時点の目安で、施設や年度によって変わります。ワクチンの価格は変動するため、予約時に確認してください。

Q
日系クリニックと大きな病院の国際医療部、どちらを選べばいいですか?
A

症状で決めるものではなく、必要な設備と、日本語がどこまで必要かで分かれます。日系クリニックは受付から会計まで日本語で完結しやすく、平日の外来向きです。大きな病院の国際医療部は、CT・MRI・入院・手術といった設備が必要な場面向きですが、日本語が通じるかは施設によって違います。迷ったときは、日本語で相談できる窓口(かかりつけか、会社が契約している医療アシスタンス)に先に聞くのがいちばん早いです。

Q
夜中や休日に具合が悪くなったら、どうすればいいですか?
A

救急車は120(搬送費は有料)です。日系のクリニックは救急外来を持たないことが多い一方で、24時間の救急外来と日本語サポートを併せ持つ施設は別に存在します。日本語の24時間窓口を公開している施設もあります。事件・事故であれば、在上海日本国総領事館(021-5257-4766)に夜間・休日は「内線0」で緊急連絡事務所につながります。どこに行くかは、元気なうちに調べておくのがいちばんの備えです。

Q
中国語ができなくても大丈夫ですか?
A

大丈夫です。日系のクリニックなら受付から会計まで日本語で完結します。私は中国語が話せるので病院と直接やり取りしていますが、それは20年住んだ結果であって、赴任したばかりの方に同じことを求めるのは無理があります。言葉に不安があるなら、会社が契約している医療アシスタンスを使うのが最短ルートです。まずは総務に、契約の有無を確認してみてください。

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